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2009-08-11住宅の耐震性チェックポイントについて

地震があったので,去年書いたエントリを抜粋して再掲してみます.

住宅の耐震性チェックポイントまとめ

地盤

地盤は,ぱっと見ただけでそれが良質な地盤なのか軟弱な地盤なのか,専門家でも評価が難しいところで,詳細に見るのであればボーリングなどを行って地層構造を分析する必要があります.

今回はそういったことをしないで,大まかに判断する方法を紹介します.

内閣府防災情報のページ-ゆれやすさマップ

内閣府が公表しているゆれやすさ全国マップです.これは1kmメッシュ地震時に地盤の揺れやすさを数値で表したもので,ご自身の住宅がどのような地盤に属しているか判断する目安となります(1kmメッシュは地盤の性状を論じるにはかなり粗い分割なので,本当に目安程度で).

その他に,地名から地盤の善し悪しを推定する方法もいくつか紹介されています.中でも軟弱地盤の地名として代表的なのが,

  • 水に関わる地名(池○,○藻,○州,浦○,など)
  • 湿地に関わる地名(窪,久保,○谷,など)
  • 農耕地に関わる地名(○田,稲○,新開など)

などです.

建物

建物なんですが,チェック項目を5個設けました.

建築年代が1981年以前であるか

というのは,1981年に耐震基準の改正があり,1981年以前の建物と1981年以降の建物には耐震性能において大きな違いがある場合があります.

壁が多いか,少ないか,また偏っていないか

住宅の耐震要素として最も大きいのは,実は壁だったりします(1981年の耐震基準の改正のメインはこの部分です).実際には壁の中に筋交いなどが入っているかが重要なのですが,そこは屋根裏に潜入したりしないとなかなかわかりません.

また,日本の家屋は採光の関係上,南面に大きく掃きだし窓を設けて北面に壁を多く配置したりしていますが,このように北面と南面で(あるいは東面と西面で)壁の量が極端に違うと偏心してしまい,ねじれが生じて具合が悪かったりします.

極端というのはどの程度かというと,どこかの商店街なんかの店舗併用住宅を想像してもらえると良いのですが,ああいう間口に壁がほとんどないタイプの住宅は,たとえば去年の能登半島地震新潟中越沖地震でも被害が大きかったようです.

屋根材料,重量

地震によって建物にかかる力は,F=m*aが示すように,建物の重量と地震によって生じる加速度の積で表されます.ですので,たとえば二階にピアノなどの重量物を置いていたり,瓦などの重い屋根葺き材を用いたりしていると,建物に作用する地震力が大きくなることがあります.

傷み具合について

過去に大きな地震を経験していたり,あるいは浸水などの被害を受けていると,建物の耐震性能が低下している場合があります.それ以外にも,シロアリ被害や雨漏りなど,長年使用していると発生する劣化などによって新築時に見込んだ耐震性能が発揮されない場合もあります.

建物の平面の形状

平面が長方形に近い建物は,欠点が少ないと言われます.いっぽう,L字型やコの字型の建物は,局所的に力が集中したりして破壊をもたらすことがあるので注意が必要です.

その他の項目

以上で大体要点は抑えられたかと思います.上で挙げた複数の項目の中で,ぼくが個人的にもっとも重要だと思うのは「地盤」「建築年代が1981年以前であるか」「壁が多いか,少ないか,また偏っていないか」の三つです.

また,今回は本当に「誰でもできる」ことを重視したので,いくつか省いた項目があります.念のため,ここにその辺の項目を列挙しておきます.

  • 基礎の方式(形状,鉄筋が入っているか)
  • 増改築の有無
  • 大きな吹き抜けの有無

とまあこんな感じで書いたのですが,特に注意していただきたい建物があります.

それは,『一階を車庫にして二階を物置にしている』建物や,『一階を店舗にして二階を住居にしている』建物です.これらの建物は,車庫や店舗(両方とも間口が広く,耐力要素である壁が少なくて大きく変形する,あるいは道路側だけ間口が開いていて反対側は壁が多い場合がありねじれ振動を生じる)の特性上,また敷地の制約などもあってなかなか耐震補強しづらいのですが,過去の地震被害を見ると,大きな被害を受けている例が多いです(もちろん,無被害のものもたくさんあります).

ですので,そういった建物には注意を払いつつ,ご自宅の耐震性について少し考えてみてはいかがでしょうか.

shishitanishishitani2009/08/11 21:35こんばんわ。土木屋さんの領分になると思いますが、振興住宅団地・造成地の地盤の評価って、素人さんでは難しいでしょうか?実家のある団地が、元々池と沢のある谷を、尾根を削って埋めた場所らしく、「ズルっと滑らない?」という話をしていました。

matsukazutomatsukazuto2009/08/12 01:24コメントありがとうございます!

>元々池と沢のある谷を、尾根を削って埋めた場所らしく、「ズルっと滑らない?」という話をしていました。

だとするとあんまり地盤がよくない可能性があります.『埋めた場所』みたいな,人工的に地盤を造成しているところだと,比較的軟弱なところが多いようです.ただし,地盤改良をしている場合もありますし,基礎の形式によっても変わってくるので,評価は難しいです.
…かといって図面とかボーリングデータがあっても専門家でも評価が難しい部分が多く,定性的な傾向ぐらいしか言えない感じだと思います.